あたしはただ黙って席に付いて、授業の邪魔さえしなければいいだけだ。


それで、あたしの授業を聞こうが聞かないがどっちでも良い。


聞きなくないと言うのなら、聞かなければ良いだろう。


それは本人が決めることで、あたしが強制することではない。


だけど、教師としてここに居る以上。


あたしの仕事を邪魔することは、ルール違反。


それを「許せ」と言われて、許せるほど、あたしは利口な大人ではない。


「あたしは、くだらない喧嘩をする気はないわ」

「くだらねぇ?」


今にも殴りかかろうとする、男子生徒。


拳を握り、殴りかかろうとしてくる。


「その手、引っ込めろよ」


そんな男子生徒を止めたのは、授業中だと言うのにあたしのクラスの生徒だった。