after Shining Moon&Star's 完結

ゆっくりとあたしに手を伸ばし、左手を握る。


「昨日あった、指輪がないわね?」


そっと、薬指を撫でる。


それに、あたしは苦笑いを浮かべる。


「別れて、来たの?」


その問いに、あたしは苦笑いを溢したまま、、、静かに、頷いた。


「重荷に、、、なりたくなかった?」

「え?」


どうして、わかったのだろう?


あたしは、女医の顔を見る。


「あたし、3年前乳がんだったの。だから白戸さんと同じように、婚約者の手を離した」


乳がんと言われ、自然と視線が女医の胸元に行く。


「再発を恐れて、両胸、、、切っちゃった」


そう言って、笑って話す女医だが、、、


きっと、いろんな想いがあったに違いない。