婚約指輪を横目に、持っていた授業の教材たちをグッと握り締めた。


さっ、仕事、仕事!


そうな言葉を自分に言い聞かせ、担当の教室へと足を踏み入れた。


担当は、1年生。


今日初めて出会う、新しいあたしの生徒たち。


緊張もするし、どんな生徒たちなんだろうと言う期待もあった。


でも教室に入り、あたしは今日何度目かになるため息が口から零れた。


これは、これは、、、


あたしのクラスの生徒たちと変わらない、ヤンチャな生徒たちだことで、、、


教師が教室に入って来たというのに、誰1人としてあたしの存在を無視。


新入生のくせに、良い度胸じゃん。


チャイムだって、教室にいる生徒たちだって聞こえていたはず。