ねえ
君は私を
1度でも思い出しましたか?
1度でも愛しいと
感じましたか?
ずっと引っかかる胸の痛みは
君を思い出すたびに
ズキンと音をたてる
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高校一年生の春。
私は地元の富山を出て遥々東京に来た。
特に何をしたいとか
大きな夢があったとかじゃなくて
ただの気まぐれだったの。
東京には私の父も転勤で居たから
私は父のマンションで2人で暮らすことに決まった。
「祈愛、明日は入学式だね!」
「あたしよりパパが張り切ってる笑」
「そりゃあ、祈愛の晴れ舞台でしょ?」
「パパ大袈裟だよ!笑」
なんて親子仲良く言葉を交わして
私は家を出た。
いつになく私の気分は良かった。
天気もいい春の日。
私は一人ニッコリと笑う。
学校までは徒歩5分。
父のマンションから近い所を
わざわざ選んで受験した。
校舎はわりと新しいって聞いてたし、生徒もたくさんいるthe高校って感じなんだって。(笑)
着いてみるとやっぱり校舎はキレイ。
みんな標準語を上手に話してる。
アタシの標準語は偽物だって、
ばれなきゃいいけど。(笑)
クラスに知ってる子なんてまずいないから
友達作んなきゃ。
話しかけやすそうな子…
あっ、いた。
「あっ、あの、アタシ水森祈愛って言うの!友達になりたいっ!」
「え?!あ?!アタシ?!えっと、アタシは藤谷美波!よろしくね!」
とっさに声かけたからあまり見なかったけど、すごく綺麗な女の子だ。
「美波ちゃん、体育館まで一緒に行かない?」
「うん!行く行く!てか美波でいいよっ!アタシも祈愛でいい?」
「うん!うれしいっ(笑)」
そういえば…。
入学式の挨拶、誰なんだろう。
って、え?!美波じゃん(笑)
あの子頭もいいんだ。
才色兼備ってまさにコレ。(笑)
とか考えてたらアタシは熟睡。
新生活1日目は、美波という大事な友達ができた日。
