話すことも浮かばないまま
暫くの時間、無言で歩いていて
何を話そうかと考えているうちに
私達はもう私の家の近くまで来ていた
「あ、もう、家すぐそこだから
ここまででいいよ!ありがとうね」
ほとんど会話なしだったけど
まさか本当に送ってくれるなんて…
「お前ん家、俺ん家から近いのな。
遠かったらクソ面倒くせかったけど」
そう言って、篤稀くんは口角を上げる
「この辺なんだ…。奇遇だね」
よかった…
あんまり離れてなくて。
わざわざ送ってくれたのに
家が離れていたら
篤稀くんの帰りが遅くなってしまうから
