浮気男と俺様男





「きゃあ!!!!
ちょっと、なんなの!!!!」




篤稀くんが、智哉を殴ったんだ…。



女は私と篤稀くんを交互に見て、

制服を素早く直した。



あ、この女…………


智哉をずっと好きだった子だ……


私の噂をあることないこと言って、
智哉から離そうとした張本人




「何…してんのよ……」



怒りが止まらない

智哉も、この女も、なんなの…




「あたしが誘ったんじゃないんだから!
智哉がエッチしたいって……



「うるせーよブス。どけ」





静かに篤稀が女に言う。

怒鳴ってるわけではないのに、

物凄く、怖い


女は何も言えずに急いでその場を去った。




「あー、いっ…てぇ…」


智哉は起き上がって篤稀のほうを見た



「おいこら。立てよ」


いつまでも立ち上がらない智哉に
篤稀は睨むように見つめる




もうやだ…………

なんでこんなことになってるの……




そして


休憩の終わりを知らせるチャイムが鳴る。


その音は、この静かな場所に


とても怖いくらいに響いた。