秋の扇


「...今はまだ俺のこと好きじゃなくてもいい。だけど、彼女として傍にいて欲しい。」

汚れた私が大事なケイを汚してしまったら。

そう考えると怖くて仕方なかった。

「..無理だよ。。」

ミワのこともある。

「......」

「私はケイとは付き合えない。今日は楽しかった。ありがとう。またね。」

早くこの場から逃れたくて。

一方的でもいい。

帰ろうとした。

「まてよ。」

だけどケイに腕を掴まれてしまった。

「離してよ。」

「離さねえよ。」

ケイの瞳は真っ直ぐだった。