秋の扇


「..ケイ。大事な用事って...」

「なー。俺水族館とか行ったことねぇんだけど。」

また上手くかわされる。

本当ケイには敵わない。

「ないの!?一度も!?」

「おー。だからさ、付き合えよ?」

「...もしかして、さ。」

まさかとは思う。

少しケイが身構えたように見えたけれど。

「水族館のために、今日、?」

「...っはは!..お前、ほんとズレてんのな。」

「な、なんで?」

「どんだけアキのこと考えてんだよ!あー腹痛てぇ!!」

「どうしてそんな風に言うの!?ひどい。。」

「俺がいるときくらい俺のこと考えろよ。あー、マジやってらんねー、」

「......」

「今日はもー帰るわ。アキんとこでもなんでも行けば。」

とても冷たい目で私を見て。

「なんで..!」

ケイが怒った理由なんてわからなかった。