秋の扇


最後に二人で遊んだ日は私からキスをした。

いつもはアキからだったけれど。

危機感を感じて頑張った。

それでもアキには私の想いや不安は伝わるわけもなく。

『..お疲れ。』

それが最後のキスだった。

だけど私とアキなら大丈夫だと強く信じて私はアキと向き合おうとした。

『思ってることとか、言いたいことがあったら言って欲しい。私はアキとなんでも言い合えるようになりたい。』

『..俺さ。中途半端な気持ちでいたくないから少しイトと距離置きたいと思ってる。』

向き合おうとは思ったけれど。

まさかそんなことになるなんて思ってもいなかったからショックだった。

アキがそこまで追い詰められてたなんて気づかなかった。