それは紛れもなく本物のナイフだった。


「…や…めて…」


すごく怖かった。

こんなにも暗くて狭い倉庫の中で
監禁されてナイフ…だなんてサスペンスとかのテレビの中の話だと思ってた…

だけど…
これはテレビじゃなければ
夢でもなぃ…


そう…
今起きていることは紛れもなく現実…。


スッ


「!!!!!!??????」


ひとりの男が結衣の首に手を回し
ナイフを突きつけた。


「結衣!!!」

〔…は…の…〕

結衣は怖さから声が出にくくなっていた。


「結衣を…離して!!!」


グイッ


ドンッ


「!?」


いきなり女に壁に押しつけられた。



《てめぇが電話すればな》



ぇ…


「…それで結衣は離してくれるの?」


〔…羽音!?なに言ってんの??!!〕


《別れたいッて言えばね》


「…言わなかったら…?」


ニヤリと笑って男が言った。



《コイツが死ぬ》



そんな…………


達也とは死んでも別れたくない!

でも…言わなかったら


結衣が――――――――…


ゾクゥッ


思わず鳥肌がたった。



結衣を取れば…


結衣は死ななくてすむ。


でも…

達也を裏切ることになる…………



どうしょう…


ぁたしはどうすればいぃの―………???