「あっ!」 不意に木の根に足を取られ、麟の体が後ろに傾く。 それが合図かのように、緋鳥が麟を目がけて翼を振り下ろした。 「麟!」 由来が麟の名前を叫ぶ。 もう、駄目だ…! 麟はぎゅっと目を瞑り、そのまま後ろに倒れる。 でも、覚悟していた痛みは全くない。 え…? 背中にはふかふかな草の感覚があるだけ。 「おい。大丈夫か?」 …この声 麟がそっと目を開けると、目の前に陰陽師――藤宮真白が立っていた。