「あ、そうだ…
夕、ごめん。
これから朝も一緒に行けなくなる。」
そりゃそうだ。
幼馴染みと彼女だったら、彼女を優先するに決まってる。
だから、精一杯の幼馴染みの笑顔で言うんだ。
「なーに?ごめんって。
ていうか、私も言おうと思ってたんだよねー。
瀬川さん不安になるから、朝一緒に行くの止めようって。」
嘘だって、簡単につく。
「そっか。ありがとうな。」
でも、それがとどめだった。
真っ黒な私の心が。
もうこれ以上はって、悲鳴をあげた。
「そうそう!…ほら、早く瀬川さんのところ行きなよ!」
もう、瀬川さんのものである蓮を見ることができなくて、私は蓮を追い出した。

