芽衣の言葉に、友ちゃんはズバッという効果音がつきそうな勢いで人差し指を立てた。

「そう、夕の気持ちが戸川くんに伝わってないことが問題なのよ。」


たしかに…

もし友ちゃんの推測が正しいとすれば辻褄はあうし、私の私の気持ちに瀬川さんが気づいてたとしても、彼女がそれを蓮に伝えることはできないと思う。
彼女の性格上。


「だからさ、夕。」

友ちゃんは一度目を伏せ、私を見据えた。



「ちゃんとけじめをつけな。」



けじめ。
それは、私の気持ちを蓮に伝えること。

それしかない。


「…」


分かっては、いるんだけど。


「夕?」


それはなぜか、物凄く怖いことのように思えた。


「分かってるよ。」

「夕…」


でも考えちゃうんだ。
もし伝えて、蓮と気まずくなって、話せなくなったらどうしようって。

心のどこかでまだ蓮と繋がってたい。
そう、自分勝手なことを考えてるんだ。