私が話している途中でチャイムがなり、一旦お開きになった。


芽衣も友ちゃんも熱心に聞いてくれていて、なんだかそれだけで心が少し軽くなった気がする。

それに、もっと頼っていいんだってことに気づけたから。


心にかかっていた分厚い雲が、少しずつ薄れていく。




「─なるほどねえ。」

続きは昼休みに話した。
芽衣は、イジメ集団に対して怒って、辛かったねと私の頭を撫でてくれた。

友ちゃんはというと。


「夕がまだ戸川くんを諦めきれないってのは分かった。」

「うん。」


冷静に分析を始めた。

「これは私の推測なんだけど…
瀬川さんはさ、夕の気持ち知ってて戸川くんのこと聞いてきたんじゃない?」

「え?」

「好きな人に仲の良い女の子がいるってすごい不安になるでしょ。それが幼馴染みならなおさら。」


それはよくわかる。
だから、私も気をつけていたつもりだったんだけど。



「特に夕たち二人はさ、一時期付き合ってるんじゃないかって噂もあったくらいなんだよ。」

「え!?」


そ、それは初耳だった…!


「その距離感の原因は、多分夕の気持ちだけの問題じゃないんだよ。」


「戸川くんってこと?」

芽衣はまだ少し怒ってるみたいだった。
友ちゃんが頷くと、溜めていた思いを吐き出すように言う。

「たしかに、瀬川さんと付き合ってても、頼る相手はいつも夕だよね。多分分かってないんだよ、二人がどんな思いを抱えてるのか。」