「けどちゃんと、夕の口から聞きたかったの。
…夕は、抱え込んじゃうタイプだから。」

「…うん。」


芽衣はどこか寂しげで、私はまた謝りたくなった。



「違う。夕は自分勝手なんだよ!」

トゲのある声が、中庭に響いた。
はっと振り返ると、友ちゃんがイライラした顔で立っていた。


「と、友ちゃん」

「どうせ、『二人に心配かけたくない』とか考えて私たちになにも話さなかったんでしょうよ。

…でもね、私たちからすれば、大事な友達の心配すらさせてもらえない、信頼されてないって思うんだよ。
戸川くんのことだって、噂で聞いて。ほんとは私たちにすぐ話してほしかった…」


友ちゃんの泣きそうな声に、胸がぎゅっと苦しくなった。

そして、こんなに私のことを大切に思ってくれる友達がいることを、私ももっと大事にしたいと、思った。


「ごめん。これからはちゃんと、話すよ。
だから、聞いてくれる?今回のこと。…」