───…



蓮くんと初めて一緒に帰ったとき、蓮くんに告白された。



私も、蓮くんのことが好きだったから驚いた。



だって、蓮くんは幼なじみの中原さんのことが好きだと思ってたから。




この時わたしは、あの屋上で勇気を出して中原さんに聞いて良かったと、心から思ってた。





…でも。

あの日の屋上での中原さんの表情を見て、なんだか不安になったのも事実だった。



さらに、蓮くんの行動にも不安要素は多かった。





教科書を忘れれば、

「夕ー!教科書貸して?」



放課後、一緒に帰りたいと言えば、

「そうだよね。
あ、ちょっと夕に聞いてくる。
前はいつも一緒に帰ってたからさ。」



挙げ句、告白のことだって、

「実は、夕が背中を押してくれたんだ!
後で報告もかねてお礼しなきゃな!」



夕、夕、夕………





本当は、私のことは、初恋の憧れとかで、中原さんのことが好きなんじゃない?


きづいてないだけで、さ。




そう思った瞬間、私の中の醜い感情が、心を蝕み始めた。



(これでもし、中原さんが蓮くんに告白したら、蓮くんが気づいてしまうかもしれない。中原さんが大切だってことに…)





その日から私は、中原さんと連絡を取り合うようになった。