「関係ならあります!俺は、」


ほら、大切な。



「幼馴染み、なんでしょ?聞いてる。」



返されて、蓮くんは口を紡ぐ。



そして、次の言葉に、目を見開く。




「でも。今ここで、戸川は幼馴染みを優先するわけだ。彼女を差し置いて。」




この言葉に反応したのは、蓮くんだけじゃなかった。




どきりとした。

もしかして、先輩は蓮くんの前で、暴こうとしてるんじゃないの? 



蓮くんの気持ちも、私の気持ちも─。





「…っ違っ、俺はそういうつもりで追いかけるわけじゃ、」



慌てた声が響く。


焦ってるのは、私も同じ。




「…俺は、夕から色々聞いてる。
だから言わせてもらうけど、さ。

君、残酷だよね。」




先輩の声が、だんだん遠くに聞こえてくる。



蓮くんが悪い訳じゃない。

ただ私が弱いだけなの。




ごめんなさい…─