「気に入らない。」
相手の集団が、びくりと肩を震わす。
「そうやって、振り向いてもらえない悔しさ一人にぶつけて、集団で正当化しよとするその考え。
なにより、私は蓮の幼馴染みとして、許せない…!!」
何故かその時、瀬川さんが顔をあげた。
よかった。
殴られたりはしてないみたいだ。
駆け寄ろうとした、その時だった。
「け、結局、お前も偽善者じゃん…」
誰が発した言葉かは分からない。
それでも、私の動きは止まった。
「幼馴染みとかいって、戸川君のこと狙ってたくせに…」
その一瞬が、最悪の事態の始まりだった。

