それは、昼休みに起こった。
…あっつ~…
もう、今日はじゃんけん運がなかった!
今私は、芽衣と友ちゃんのために冷たいサイダーを買うべく、一階の『地獄の渡り廊下』を通って自販機にむかっている。
太陽が、これでもかってくらい照っている。
まあ、あと一週間くらいで夏休みだもんなぁ…あー、今年はなにしようかな~。
考えようにも、暑さで頭がぼーっとして思いつかない。
その時だった。
「―――、――――!!」
校舎の陰から怒鳴り声が聞こえてきて、不意に立ち止まった。
女の子の声。
しかも複数。
今時こんなベタなシチュエーションがあるもんだ、と観察していると。
渡り廊下の近くにある水飲み場に、ホースが繋がれているのが見えた。
まさか…水かける気じゃ…
気づいたら考えるより先に、私は走り出していた。

