…そういえば。
先輩に振っちゃいけない話題があった。
それは、部活のこと。
あんなに綺麗な写真が撮れるのに、その事に目を輝かせているように見えたのに、それが写真部の話になるととたんに曇った。
まあ、それを聞けるほどはまだ距離があるから聞けないけど、いつか聞けるんだろうか?
キーンコーンカーンコーン…
チャイムが鳴って、授業が終わる。
結局考えていたはずの悩みは先輩への疑問にすりかわっていた。
…うーん。悩んでいても、仕方がないか。
そう伸びをして気楽に考えるくらいには、変わってきていると実感しているのだ。
──実際は、変わってきているつもりだったという事実から目を背けたまま。

