〜卒業〜

次の日から僕は病院で、暮らすことになった。

中学1年の僕は一般病棟に入った。

東棟の201号室だ。

東は、朝日がのぼってくる。

だから、縁起がいいらしい。

明日が、見えるってことだから…。

正直、いつまで生きられるかなんて僕にはわからない。

その運命を、決めているのは神様なのだから。

ドナーが見つからなければ僕は、この病室で死ぬことになる。

そもそも、僕は−AB型だから適合する人があまりいない。

でも、可能性は0ではない。

だから、ドナーが見つかるまで僕は懸命に生きようと思う。

母のためにも…。

  






抗がん剤治療が始まった。

ひどい吐き気と、抜け毛が副作用で現れるらしい。

僕の場合は、抜け毛だった。

(割と似合ってるかも?)

もともとぼくは野球部だったのではげというのに抵抗はない。

でも、悩みがある。

   『暇』

その言葉に限る。

あんまり、勉強は好きではないが病院で生活していくうちに

(学校にいるときのほうが楽しかった。)

と、思うようになった。

でも、外に出れば命にかかわる。

この暇な時間は、スマートフォンでつぶした。