〜卒業〜

その日は、ゆっくり休んだがダルさが抜けない…

それに、咳をすると血が混ざった。

病院へ行って診察してもらうことになった。

(いつもどおりの風邪だといいんだけどな…。)

なんて、考えながら診察室へと向かった。

いつもどおりに診察してもらった。

でも、先生の顔はものすごく険しかった。

『招待状を書きますので一度大きな病院へ行って下さい。』

と、言われた。

ショックだった…。

それほどに、病気が酷いということが頭の悪い僕にさえ分かった。

急いで、大きい病院へと向かった。

レントゲンや、血液検査を行った。

そして僕は待合室で待たされ、母だけが先生に呼び出された。

(きっと、悪い病気なんだ…。)

と、直ぐに思った。

案の定、母は泣いて診察室から出てきた。

『何だったの?真実を知っても僕は悲しまないから教えて?』

こんなの嘘。

正直、聞くのが怖い。

母はゆっくりと話してくれた。

『拓也は…はっ…病…よ…』

『え?何?聞こえないよ。』

『拓也は…白血病…な…の…よ。』

え?嘘だろ?

そんなはずない…。

信じたくない。

『それって治るよ…ね…?』

母は俯いたまま話した。

『治すことは出来るけど全ての人がそうとは限らないって、お医者様が…。』

僕は、死んじゃうのか?

母を残して…。

そんなの嫌だ。

でも、時間は待ってくれない。

治すにはドナーが必要で、

同じ血液型の人の血を体に入れて

正常に血液ができればいいらしい…。

僕は一人っ子だし、父親は死んでしまった。

母とは、血液型が違う…。

そんな状態から僕のドナー探しが始まった。