「夏あっつい!!クーラーないんかぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

このボロ校舎にクーラーという強者はいない。
代わりに気休めのような扇風機が1台あるだけで、あとは自然の風か自分で扇ぐしかない…

せめてもの救いが窓側の席であること。

「あっつ…。」
「下敷きでスカートの中扇ぐのやめなさい。」
「…。ですよねぇ。夏って暑くなかったら最高なのに!!!」

「それ、夏じゃないからね。」

…ごもっとも。

「そーだ!夏休みがあるでないか!!!いやっふーっ!」
「…あかり、現実みて。一昨日に終わったでしょ。夏休み。」


…そーだった…。
うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!わたしの幸せがぁぁぁぁ←


「うん。話変わるけどあかりって何座?」

急ですな。
「かに座っす」
「ふぅーん…雑誌の占い…」
「うそうそ!なんだって??」

「…この夏何かが始まるでしょう…」

「…もう、夏休み終わってんじゃん!あたしの夏、終わってんじゃん!なのに何が始まるのさぁぁぁぁぁ!!」

「しらんわ。あ、化学が始まるんじゃない??」
「いやぁぁぁぁぁ!」

やばいって!!化学テストだった!!

「さ、さえ!助けて!答えくれ!!」
「やだ。」

んなぁぁぁ?!
どどどどどどしよ!!

―――キーンコーンカーンコーン。