いつの間にか、風が家に訪ねているのを知らずに。
目が覚めた時は、日がまだ昇っておらず、うっすらと暗かったものの、まさに『春はあけぼの』の言葉が似合う空が広がっていた。まだほのかに酒のにおいも部屋じゅうに充満している。背後からは、昇が小さないびきを鳴らしていた。
寝相が悪い私なのだが、今日は何事もなく、布団さえも乱れていなかった。私は居間から聞こえる冷蔵庫の振動音に耳を傾けながら、起きなきゃと思いつつも、まだこのままじっとしていたいという気持ちもあった。その葛藤は、当たり前だが、後者が勝った。こういう時、人間のぐうたらがしみじみと思い知らされる。
久しぶりだ。こんなに早く起きて、一人のんびりと布団の中で過ごすなんて。独身の頃、どうでもいいような晴れ渡った空が広がっている日曜日を、同じく、布団の中でこもっていた時以来だ。どこからともなくやって来るふくろうのさえずりさえにも耳を傾けたり、外を羽ばたくスズメの数を、一瞬にしては数えられないほどなのだが、無理にでも数えようとした自分が悲しく感じられたが、逆に嬉しくも感じられた。自由な開放感が味わえたし、それにそうやって過ごす時間が楽しかった。なぜだかは分からない。ただ呆然と無心にいるだけが幸せに思ったのかもしれない。ただ生きているのは疲れることだが、何もしないというのは心体ともにリフレッシュする。どうやらあまり区別がないようにみえて、意外と大きな差異があるようだ。
目が覚めた時は、日がまだ昇っておらず、うっすらと暗かったものの、まさに『春はあけぼの』の言葉が似合う空が広がっていた。まだほのかに酒のにおいも部屋じゅうに充満している。背後からは、昇が小さないびきを鳴らしていた。
寝相が悪い私なのだが、今日は何事もなく、布団さえも乱れていなかった。私は居間から聞こえる冷蔵庫の振動音に耳を傾けながら、起きなきゃと思いつつも、まだこのままじっとしていたいという気持ちもあった。その葛藤は、当たり前だが、後者が勝った。こういう時、人間のぐうたらがしみじみと思い知らされる。
久しぶりだ。こんなに早く起きて、一人のんびりと布団の中で過ごすなんて。独身の頃、どうでもいいような晴れ渡った空が広がっている日曜日を、同じく、布団の中でこもっていた時以来だ。どこからともなくやって来るふくろうのさえずりさえにも耳を傾けたり、外を羽ばたくスズメの数を、一瞬にしては数えられないほどなのだが、無理にでも数えようとした自分が悲しく感じられたが、逆に嬉しくも感じられた。自由な開放感が味わえたし、それにそうやって過ごす時間が楽しかった。なぜだかは分からない。ただ呆然と無心にいるだけが幸せに思ったのかもしれない。ただ生きているのは疲れることだが、何もしないというのは心体ともにリフレッシュする。どうやらあまり区別がないようにみえて、意外と大きな差異があるようだ。


