私は静かに自分のベッドに潜り込み、酒のにおいを我慢しつつも、外で点々と町に灯る、眩いばかりの星をボーっと眺めていた。この部屋よりも、外の空気は澄んでいるように見えて、星が一段と煌いていた。しかしその星の中でも、月だけは雲に覆いかぶされ、池に月が映ったようにぼうっと浮いているようであった。今、ベランダに出て、あの月の雲を掻き分けることができたら、どれだけいいことだろう。しかしその前に、ベランダに通じるガラス扉を開けた時点で氷とぶつかり、それ以上外前出れないことだろう。
そんなことを考えながら、こんなに落ち着いている自分に気が付き、体が熱くなったような気がした。よく分からない恥ずかしさ。誰もそんなことは知らないのに、自分だけしか知らないのに、自分の好きな人がばらされていないのにばらされたと信じ込んだ自分、そんな感じであった。自分の中で閉じ込められているその羞恥心は熱となって、あの暗くひんやりとした夜空へと包み込まれていくことだろう。
そしてまた気付く。また変なことを考えてしまった、と。人間の感情はまるで海のようで、時には嵐が吹いて荒れ狂い、時には波もなく平然と穏やかの中、強い日差しを海面に照らす太陽と空に架ける虹色の大きな橋を作り、その下をトビウオの群れが宙を舞う。まるで今の自分のようだ。そして私は体を布団の中でうずくまらせ、再び背中に一本の背筋を凍らすような神経がゆっくりと通った。
こんな時、なぜ私はこんなに落ち着いていられるのだろうか。果たして今、どういう状況なのか分かっているのだろうか。本来、切なく、寂しく、悲しく、脱力感や無力感、頭が真っ白になっているなど、マイナスのイメージが体内でうごめき、それらが体の表面にイボのように出てくるはずなのだが、それがない。なぜだろう。私が勝手に自己防衛しているようで、無理やりそのような感情を閉じ込めようとしている。元気を装い、気取ろうとしている。甘えていいはずなのに、私がここで生きていることを証明してもいいはずなのに、私はこうして一人、一対千の明らかに無謀で、何の意味もなさない戦いに挑もうとしている。虚しく、孤独な戦い。初めから意味のない行動だってわかっていても、それをしてしまう。こんな自分が時々嫌になる。
そんなことを考えながら、こんなに落ち着いている自分に気が付き、体が熱くなったような気がした。よく分からない恥ずかしさ。誰もそんなことは知らないのに、自分だけしか知らないのに、自分の好きな人がばらされていないのにばらされたと信じ込んだ自分、そんな感じであった。自分の中で閉じ込められているその羞恥心は熱となって、あの暗くひんやりとした夜空へと包み込まれていくことだろう。
そしてまた気付く。また変なことを考えてしまった、と。人間の感情はまるで海のようで、時には嵐が吹いて荒れ狂い、時には波もなく平然と穏やかの中、強い日差しを海面に照らす太陽と空に架ける虹色の大きな橋を作り、その下をトビウオの群れが宙を舞う。まるで今の自分のようだ。そして私は体を布団の中でうずくまらせ、再び背中に一本の背筋を凍らすような神経がゆっくりと通った。
こんな時、なぜ私はこんなに落ち着いていられるのだろうか。果たして今、どういう状況なのか分かっているのだろうか。本来、切なく、寂しく、悲しく、脱力感や無力感、頭が真っ白になっているなど、マイナスのイメージが体内でうごめき、それらが体の表面にイボのように出てくるはずなのだが、それがない。なぜだろう。私が勝手に自己防衛しているようで、無理やりそのような感情を閉じ込めようとしている。元気を装い、気取ろうとしている。甘えていいはずなのに、私がここで生きていることを証明してもいいはずなのに、私はこうして一人、一対千の明らかに無謀で、何の意味もなさない戦いに挑もうとしている。虚しく、孤独な戦い。初めから意味のない行動だってわかっていても、それをしてしまう。こんな自分が時々嫌になる。


