「ただいまー……って、どうしたんだ? そんな所でボンヤリして」
いつもショウが遊んでいる居間を見つめながら立ち尽くしていたリザに、仕事から帰宅してきたカイが怪訝そうに声を掛ける。
ゆっくりと声の方へと振り返ったリザは、
「……ショウが、居ないの」
青ざめた顔と声でカイにこう告げるのがやっとだった。
動揺で震えるリザの体を支え、カイはその背中を何度も優しくさする。
今までだって外に遊びに行っても、夕暮れまでには必ずショウは戻ってきていた。
ましてや、黙って外に遊びに行くこと自体がショウにはなかったことだ。
「まさか……家出したんじゃ……」
「そんなはずないだろ。どうせ遊びに夢中になって、時間を忘れてんだよ」
今にも泣き出しそうなリザの手をギュッと握り締め、
「ほら。いつまで遊び歩いてるんだって、叱ってやろうぜ」
つとめて明るく振る舞いながら、カイはリザを玄関へと誘った。
本当はカイも昨日見せられた絵が頭から離れなかった。
更には、何も言わずに消えたショウに少なからず不安を覚えてしまう。
それでもカイには一つ、ショウに聞かれたある質問が頭の片隅に引っかかっていたのだ。

