リザとショウの距離は相変わらず縮まりも離れもしないまま、時間は流れていく。
「離れていってないんだから上々だろ。時間はたっぷりあるんだ」
そう言ってカイが笑い飛ばすのを、リザは素直に受け取れないでいる。
こんなぎこちない空気を残しつつも、共に暮らして一カ月が経とうとした頃。
リザにとって、一生忘れられない出来事が起きたのだ。
いつものように幼稚園までショウを迎えに行った時だった。
笑顔で出迎えてくれる先生の表情がどことなく落ち着かなげで、リザは不安を覚えた。
「少しお見せしておきたいものがあるんです」
そう言って先生に通されたのは、人気のない教室だった。
さっきまで遊んでいた名残を思わせるように、片隅にはオモチャが転がったままでいる。
それを微笑ましく思ったのも束の間。
「今日、お絵描きの時間に家族の絵を描いたんですが……」
切り出しながら先生が差し出した画用紙には、大きな家の絵の中に二人の人。
そして、家の外には小さな人が一人描かれていた。

