「ショウ、お母さんがお迎えに来たわよ」
幼稚園の送り迎えは、リザの中でも特に母親という言葉を実感させられる瞬間だった。
先生に呼ばれたショウが帰り支度を整えるのを待つ間、
「お母さんが作ったカバン、お友だちもすごいねって褒めてましたよ」
先生が話してくれる他愛ない園での様子に、リザはいつも一喜一憂してしまう。
友だちの反応よりも、リザが知りたいのは他でもないショウ本人の反応だった。
リザがショウの為にカイが選んだ布地で作った通園カバン。
「母さんがショウの為に作ってくれたぞー」
カイから渡されたそれを受け取ったショウは、
「……あ、ありがとう」
ぎこちなくもリザにお礼を言って、そこにせっせと幼稚園の用意を詰めていった。
その反応が思った以上に素っ気なくて、リザの心に小さな不安が過ぎっていく。
それが表情に出ていたのか、
「アイツ照れ屋だから上手く感情を表に出せないんだ」
「…………」
「大丈夫、喜んでるって」
リザの肩に手を置き、不安そうにショウを見つめる彼女にニッと笑いかけた。

