時間はたっぷりある。
これがリザが嫁いで来てからのカイの口癖になっていた。
新しい環境に新しい生活。
元々市井の出身とはいえ、リザにとっては新しいことだらけであることは変わりない。
それに加えてショウとの距離。
形式的には親子になったとはいえ、すぐに心の距離までが縮まるものではない。
そのどれもに早く慣れたい一心なのか。
リザは朝から晩まであれやこれやと動き回っていた。
食事や洗濯などの家事の類は、元々好きな質であることも手伝ってそれほど苦労はしなかった。
愛する人たちを自分の手ずからお世話する喜びを日々感じる反面、リザの頭の中にはある悩みと不安が常にあったのだ。

