「貴女が悲しんでいる時、お母さんはどうやって貴女を慰めてくれたんですか?」
心配そうに眉をハの字にさせた庭師が、姫の顔をのぞきこみながらこう尋ねた。
彼の言葉で蘇るのは、小さな頃に泣いていた自分を母が優しく抱き締めてくれた記憶。
そうして背中を撫でてくれる母の温もりや笑顔が、悲しみをゆっくりと溶かしてくれたのだ……。
「母はよく抱き締めて背中を撫でてくれてました……私が泣き止むまで」
母との優しい思い出に姫の顔が少しだけ和らぐ。
もう母に抱き締めてもらうことは叶わないけど。
こうして母を思い出して温かな気持ちになれる……。
庭師の言葉でそれに気付けたことに、姫が感謝を告げようとした時だった。

