庭師とお姫様 (naturally番外編)

……今、彼に全てを話して泣いてすがれば……優しい彼は、細い肩を小さく震わせながら必死に嗚咽を堪えるミリザ姫を、救ってくれるかもしれない。



庭師の彼の姿に安堵を覚え、そのまま不安に押し潰されそうな心を救って欲しい衝動に駆られる。



しかし、そんなことをすればきっと……彼が苦しむことになる。

彼だけでなく大事な息子も巻き込んでしまう……。



優しい彼が自分のせいで苦しむなんて……それだけは決してしたくなかった。



「母の命日が近いので……つい、思い出してしまって……」



なんとか嘘と笑顔を取り繕ったミリザ姫が、ハンカチを取り出して頬を伝う涙を拭う。



涙の残る目を細める気丈な姫の姿に、庭師はさっきから表情を変えないまま姫の方へと歩み寄って行く。