庭師とお姫様 (naturally番外編)

「ありがとうございます、姫! 帰ったら姫様に作って貰ったんだぞって自慢します」



ミリザ姫が縫い上げた小さな手提げかばんに、庭師は嬉しそうな大きな笑顔を見せた。



そんな彼の笑顔を思い出すだけで、ミリザ姫の胸は温かな感情でいっぱいに満たされていく。



誰かの役に立てたのが嬉しい……それが庭師の彼の為なら何倍もの喜びに変わる。



自室の鏡台に映る自分の顔に不意に目をやると、久しぶりに柔らかな表情をしているように見えた。



かつて、母やシェナと過ごしていた時のような穏やかな気持ち。



それをもたらしてくれたのは、紛れもなく庭師の彼。



もっと一緒に過ごしたい……。



姫の心に浮かんだ淡い感情は、すぐに重たく暗いモノに塗り替えられてしまうことになるのだった。