それでも君のことが好きな理由

2-3に移動すると

「しーおーりー!!」

さっそく誰かに叫ばれた。

「奈々さぁー全然仲良い子いなくて焦ってた笑笑」

私を呼んだのは平野奈々だった。
奈々とは部活がいっしょだ。
ちなみに吹奏楽部。
パートも同じでトロンボーンを吹いている。

「席順前に貼ってあるから、見に行こ!」
と誘われた私は奈々と一緒に見に行った。

原野直輝

私の隣の席の人の名前。

どんな人だろう…。
名前しか知らないなぁ。
確か野球部だったよーな。違うよーな。
今まであいつが隣だったのに!
いきなり違う人とかどーしよー…。

「汐莉?ぼーっとしないで席移動させなくちゃ!」

奈々に言われるがままに移動開始。
うわ。1番前だったんだ。
名前しか見てなかったや…。
もう、後ろの席の林健斗と前田咲月は仲良さそうに話している。
席に座ると、しばらくして隣の人が来た。