どのくらい泣いただろう 私は、少し落ち着きを取り戻した。 彼は箱ティッシュを私に差し出した 顔が、グチャグチャだったに違いない。 「あの…ありがとう」 「戻るの?」 「私、帰ります」 「靴はどこ?」 「救護テントに…」 「ほらっ!」 彼は体制を低くして背を向けた。 「えっ!?」 彼は自分の背中を手の甲で叩き 「早く、おんぶするから」 具合悪いことも手伝って 私は素直に、おんぶしてもらうことにした。