「ユキホ…」
何故か隣で泣いているナツの手をぎゅっと握ったら
後ろからアズサが私とナツを抱きしめてきて
私まで泣きそうになるじゃんか
「ユキホ…?」
『私ね?アツシくんが他に女の子と付き合ってること知ってたよ?でもね』
『好きだったから信じたかった。』
-アツシがこの前C組のハルナの家から出てきたとこ、俺見たんだよね-
-アツシくんぶっちゃけ、村本さんに飽きてると思う-
-それな-
噂なんて気にしない
アツシくんが話してくれるまで私は何も聞かないし知らないフリをしていよう。たとえ振られても素直に受け入れよう。
そう決めていた。
「謝って許されるなんて思ってない…けど、ちゃんと謝りたい。本当にごめん」
「俺がこんなこと言うのもあれだけど…俺寂しかった。ユキホはいつも俺が大丈夫?って聞いたら無理して笑って大丈夫って言ってさ。本当は体調悪いのに無理してさ。あとからナツたちから聞いてさ、すんげー寂しかった。」
少し涙声のアツシくんの声が私の苦しかった部分に染み込んでいく。
「俺何のための彼氏なんだよって…思った。俺ばっか好きなのかなって。」
「…ハルナに相談していたんだ」
『ハルナちゃん…』
「こんなこと話せる仲のいい女の友達といえば、ハルナかナツしかいなくてさ。ナツのことだからすぐにユキホに話しちゃうだろうし…な」
『確かに…笑』
「何よぉ~」
「ナツ隣いるんだ?」
『うん』
「ばかアツシ!」
そう受話器に向かって叫んだナツは化粧ぼろぼろでこの中で一番泣いていて
「ナツありがとな」
ぼそっと呟くと、話し始めた。
「ハルナも色々あって話し聞いてたんだ。んであるとき、引越しするから手伝ってほしいって言われてさ、家行ったんだ。アイツん家親が離婚したからさ」
『そうだったんだ』
「そう。そん時家から出てくるところを見られたみたいでさ。言い訳にしか聞こえないかもしれないけど…」
ゆっくり話す声を聞いているとアツシくんの話は嘘には聞こえなくて
『話してくれてありがとう。アツシくん』
「でも、ユキホを不安にさせたことには変わりないよ、本当ごめんな?本当ごめん」
何度も何度も「ごめん」という声
少しずつ開いていた二人の溝は埋まってきた。
少しずつ…
