『あ…』
「ユキ…ホ…?」
前より低く感じるアツシくんの声
『ひ、久しぶり…アツシくん』
上手く声が出なくて、
スマホを持ってる手が震えて、
それに気づいたナツが反対側の私の左手を優しく握った
「元気だった?」
アツシくんは優しい
「最近あちぃけど、体調とか崩してない?」
前からそうだ。
電話もメールでも、必ず私のことを心配してくれる
『うん、大丈夫だよ?』
「そっか…何か、懐かしいな」
『ふふ、そうだね』
「相変わらず、にんじん嫌いなの?」
『嫌い、あれはこの世の食べ物ではない』
「ははっ、必ずそう言うよな。ユキホ」
あの頃…に戻ったみたいで
『アツシくん…』
受話器越しに笑う彼が
「ん…?」
私に恋を教えてくれた彼が
すごくすごく
『好き…』
ドキドキも初めて教えてくれた相手が
アツシくんで本当に
『好きだったよ』
良かった。
