「ねぇ、ユキホちゃん」
『はい…?』
「今から予定ある?」
『特には…』
「じゃあさ、野球部の部室に荷物持って行くんだけどさ、手伝ってもらえないかな?」
『いいですよ』
「ごめんね、女の子に頼むことじゃないんだけどさ、本当ごめんね」
『いいですって!行きましょうか』
「おう」
中島先輩に連れられ、私は生徒会室をあとにした。
藤沢くんと会長のいる生徒会室を。
扉が閉まる寸前見えたけど…藤沢くんこっちを見てた気がする。気のせいか。
「ごめんね?ユキホちゃん」
『え?あ、いえいえ!大丈夫ですよ!どうせ帰るだけだったし!』
隣を歩く先輩、身長も高くて スポーツしてる男の人って感じのがっしりした体。腕とか。でも 時々目が合うと優しい笑顔で 私の歩幅に合わせて歩いてくれてる。
『先輩』
「んー?」
『絶対モテるでしょ』
「っえ?!!何急に」
『ふふ、何でもないですよ?ただちょっと思っただけです』
すごく顔真っ赤にしながらおどおどしてる先輩、なんだか可愛くて 思わず ぷぷっと笑ったら
「やっと笑った」
先輩が微笑みながら言った
「ずっと元気なかったから、ユキホちゃん」
『え…?』
「俺さ、ユキホちゃんの笑顔好きだからさ」
