ガラガラガラガラ
第二図書室の扉を開けた。
入ってすぐの机に石橋くんがいた。
「佐々木さん。来てくれてありがとう。」
本当に嬉しそうに笑った。
「全然いいよ!どうしたの?」
第2図書室何て誰もいなくて、知らない人もいるくらいの場所に何で私を呼んだんだろう。
「実は、佐々木さんに伝えたいことがあって」
私の目をしっかりと見た。
見つめられると何かドキドキする。
「入学式の時一目惚れしてずっと好きでした」えっ?
本当に?
「僕と付き合ってください。」
嬉しい。
けど、私の答えは決まっている。
「ありがとう。とても嬉しい。」
石橋くんの顔が明るくなる。
「でも、私は石橋くんのことをよく知らないか らごめんなさい。」
今さっきまで明るかった顔が一気に暗くなっていった。
「そっか。佐々木さん彼氏いるの?」
私に彼氏?
「いるわけないよ。こんな地味で可愛くない私 に」
私のこと好きでいてくれた人がいるだけでビックリなのに。
「佐々木さんは可愛いよ。」
そんなことあるわけないじゃん。
「石橋くん。お世辞はいいよー」
優しいよ。
こんな私に可愛いって言ってくれるなんて。
「天然なんだ」
ボソッと言った。
「えっ?何か言った?」
あまりにも小さい声だったので聞こえなかった。
「いや。何でもないよ。」
本人が何にもないって言ってるんだからいいよね。
「じゃあ僕は行くね。」
石橋くんは私の横を通って帰ろうとした。
「ちょっと待って。」
気がつくと私は石橋くんを呼び止めていた。