外で体操の声が聞こえてくる。
暑すぎず、寒すぎず。
ちょうどいい天気だと思う。
「恭平っ?」
存在を知らない人もいる4階の空き教室で名前も知らない女の声が響く。
「黙って」
喋られたらキスしにくいんだよ。
「恭平っ」
あーもう。
うるせーな。
「何?」
日に当たっているせいか女の顔はほんのりと赤くなっている。
「私のこと好き?」
何で女はこんなこと聞きたがるんだよ。
今、それ必要なくね?
「知らねーよ」
俺はその問に答えず深いキスをした。
「んっっ」
女はそれ以上なにも聞いてこなかった。


「んー気持ちよかった」
女は行為が終わったあとひとりでに呟いた。
「やっぱり恭平はいいね。」
うるせーな。
終わったんだから早く帰れよ。
「じゃあまた誘うねー!」
女はそう言い残し俺の希望通り帰って行った。
「あー疲れた。」
女は何で好きとか愛してるとか聞いてくるんだろか。
女は欲情を満たすだけの物なのに。
それ以上も以下も無いのに。
まぁめんどくさいことは考えないでおこう。
それにしても今から教室に行くのはだるいな。
第2図書室でサボろ。
「女ってめんどくさい。」