虹色の明日





伝えれなかった
ただひとつのことば。

時間を戻せたら
今すぐ

きみのもとへ。


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「「 この人殺し。」」

バッコーン

なにかに叩かれて目を覚める。

「お前なぁ〜。俺の授業で寝るなんて100万年早いんだよ!」

そういいながら黒板消しで殴ったのは私の担任の国吉 明。

また同じ夢を見てた。
過去の夢。

「アキ〜!また寝てたの?笑 相変わらずだねー、ほんと 」

昼休みになり私の席にとびこんできたのは私の唯一の友達といっていいくらいの人、マナミ。

入学式に人見知りの私に喋りかけてくれた

「アキはさぁ、好きな人とかいないわけ?」

お弁当を食べながらいきなり質問してくるマナミ。
その質問にお箸がとまった。

「 …いないよ〜!逆にほしいくらいだし!なになに?マナミいるの?」

なるべく明るく返事をする私にマナミは私に小声で言った

「あたしさ、Bクラスのリクト君気になってんだよね… 」

照れくさそうに前髪を触りながらいう。マナミは可愛いしモテる
面食いのマナミのことだからリクト君っていう人はかっこいいんだろう

…すきなひとか。

「「 この人殺し 」」

またさっきの夢が頭を遮る

「あ、リクト君きた! 」

急に我にかえりマナミが指差す方を見る。

ん、なるほどかっこいい。
だけど…チャラい、

チャラい!チャラい!

私には苦手なタイプ

でも…

リクト君の隣にもう一人
さっきから何度か目が合う

黒髪で無表情でなにか。なにか雰囲気が誰かと似てる人

顔は断然リクト君の方がかっこいい
だけどその人がなぜか気になる

誰だろう… 初めて見る。


「 リクト君!番号交換しよ♪ 」


マナミがリクト君のところへ小走りする。リクト君もさりげなく携帯を出す。

マナミはやっぱりすごいなぁ

マナミの積極的な感じはときどき羨ましくなるくらいだ

「逢沢さん? 」

急に横からそう名前を呼ばれ振り返るとさっきの黒髪君がいる。

「 はぃ!? 」

声が裏がえった
恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい


でもなんで名前知ってるんだろ

てかなんでここにっ!


「トックン」


え…。

時間が止まった気がした

人からトックンの名前を久々だ…

それよりなんで…
なんでこの人が…



トックンこと徳永 雅也。
去年事故で亡くなった

私のずっと好きだった人

私の初恋だった人

今でも忘れられない人

大好きな大好きなトックンを
追い詰めたのは私

トックンを殺したのは私


あの日から心から笑わないと決めた

トックンを殺した私だけが
笑うなんてありえないから

トックンのこと忘れる
時間があるなんて嫌だから


「 いろいろ…大変だったな 」


黒髪君が言う。

「 黒髪君はなんでその事…!」


黒髪君は中学も違うし私のこと知らないはずなのに、どうして

どうしてトックンを

「黒髪君って。笑 橋川 ハルです、ハルって呼んで。 」
「 麻生 チヅル ってしってる?」


麻生チヅル…

忘れるわけがない

忘れれるはずがない

だって…