3分が経っただろうか。


誰も何も言わなかった。


その長い静寂を打ち切ったのは………


「……やっぱり、そうだったんだね」


「総司っ!?」


沖田総司だった。


私は沖田総司の言葉に頷く。


「やはり、気付いていましたか」


「……気付いたのは試合の後だけどね」


「春!てめぇ……今の今までどうして黙ってた!」


土方さんが握り拳か、足をダンッと床にぶつけ、怒鳴る。


「……言おうとしましたよ。しかし、あなたに遮られてしまったのです」


「くっ………!」


土方さんは私に分の悪いことを言われ、言葉に詰まってしまう。


「それで?土方さん、どうします?春くん、普通の隊士としては使えませんよ?」


「………だ、だが、目が見えないのに、総司の竹刀を受け止めたのは凄いぞ!?」


近藤さんは焦りぎみに私をフォローしてくれる。


土方さんはうーん……と悩んだあと、私にいくつか質問をした。


「お前は、どこの出身だ?」


まさか、未来の蝦夷です!何て言えるわけない。


「北の出身です。比較的会津に近いかと」


会津と出しておけば安全圏だろう。なんてったって壬生浪士組は会津藩お預かりなのだから。


「どうやって生活してきた?どうして会津からここまで来た?」


トシっ!と近藤さんの制止の声がかかるが、土方さんはそれを無視し、


「これはお前の処遇を決める大事なものだ。正直に答えろ」


真剣な土方さんの声に私はゆっくりと頷いた。