「おぉっ!総司!ちょうど良かった!」


気まぐれで中庭に出ていたところを近藤さんがなんだか焦ったようにこっちに来た。


「近藤さん、どうかしましたか?」


「と、トシがな、呼んでるんだ。行ってくれないか?」


「えぇー………土方さんが?」


土方さんの単語一つで行く気が失せる。


「頼むっ!!」


近藤さんが両手を合わせて必死に僕に頼むものだから、僕は思わず、承諾してしまった。


「そうか!そうか!いやぁ~助かった、総司!お前にも悪くないことだからな!トシは道場にいるぞー!ハハハッー!」


矢継ぎ早にそう言って風のように去って行く近藤さん。


「…………なんだったんだろ」


その素早さに少し圧倒されたが、約束どおり土方さんが待つ道場に向かうことにした。