そんな感情は一旦飲み込んで。


「お侍さんのお名前を、聞いてもいいですか?」


「おぉ!そうだったな!私は近藤勇だ!壬生浪士組の局長をしている」


「……土方歳三だ。おまえは?」


「榛です」


「春……?女みてぇな名前だな」


「トシ!失礼だろ?」


「良いんです、近藤さん。よく言われますから」


二人は私を男だと思い、榛を春だと勘違いしている。


歴史に名を残す新撰組。そこの一員になってみるのも面白い。


「しかしなぁ……」


「本当に、大丈夫です」


「う…うむ」


新選組の歴史を知らない私が新選組の行く末を近くで観ることが出来るなんて、なんて運の良い奴なんだろう。


「そっ、それでは、さっそく案内しよう!!」


「おい、春。タダで入れると思うな。着けば、すぐに入隊試合だ」


近藤さんと土方に連れられて壬生浪士組の屯所へと向かった。