「俺、不審者じゃないよ」


「・・・・・・」


「挨拶に来ただけ」


そこである事に気が付いた。


私のネクタイのラインは青。しかし目の前の不審者のラインは赤。緑、青、赤、の順で三年、二年、一年、とその学年色によって区別されているはずだから、


「・・・一年、」


先日入学したての一年が宅配便を装って家に何用デスカ。というか、何で家知ってるの。


「そ。だから部屋入れて」


いやいやいや、意味分かんないし。頭沸いてるんじゃないの。


「隣なんだしいいじゃん」


は、もっと意味わかんな──────、




「・・・・・・っ、隣?」




しれー、とコイツ今何て言った?


「言ったじゃん、挨拶に来たって」


「・・・・・・」


「宅配便を装ったのは門前払いくらわないように」


「・・・・・・」


「で、これ挨拶─────」


ぐいっと引っ張られた腕。今までの攻防は何だったのか、呆気なく開いたドアの外へと体を引かれてバランスを崩した私を抱きとめたのは目の前の確信犯で。




「・・・・・・っン、・・・」




頭上でクスリと笑った気配がしたかと思えば、次の瞬間には互のそれがぶつかっていて。




What happend?


「俺のことガキだと思ってるデショ?」


そう言って離れたコイツを本気で殴りたいと思った。


「生意気」


「ん。よく言われる」


「・・・・・・」


「これからよろしく、オトナリさん」


関わりたくない。と率直に思った。