キミダカラ

「よし。うちらも帰るか」

「だねぇ。帰ろ〜」



クラスには、あたしと紗耶しかいない。

この静かな感じが何気好きだったりする。



電気を消そうとすると、パタパタと走ってくる音がきこえた。

「お!?なんだ、まだいたのか?」


走ってきたのは、葵だった。

「なーにー?」

「あー、忘れものした」


プリントがたまった机の中をがさごそとあさった。

「千紘〜、かえるぞ〜」

沙耶は廊下であたしを呼んでいる。



「いまいく!んじゃ、葵、ばいばーい」

「おう、沙耶、千尋。またな」



あたしたちは、教室をあとにした。