キミダカラ

直斗:side



ガラッ

教室のドアが急にあいた。
「直斗くん!聞きたい事あるんだけど!」

「真奈?どうしたんだよ」

「千紘!彼氏いないってほんと?」

また、千紘のことかよ……。
"千紘"その名前がでると、クラスが静まった。



「あーー。千紘な。それ、ほんとだよ」

まぁ、あいつとは別れたんだろ。
そういうってことは。

「ほんとうに?!」

「ほんとうだっつの」


クラス中が、ザワザワし始めた。

あちこちから、「千紘ちゃん、俺狙おうかな」とか「彼氏になりてー」。

そんな声があがった。

そんな男子の話を聞いた真奈は、ガルルルルルっと威嚇していた。


直斗は、笑いこらえるのがたいへんだった。