「なぁー、芹沢！かわいいなぁあの子」

「あっ？あぁ、そうっすね先輩」

先輩に話しかけられるまでずっと練習をしていてやっとその少女に気づいたのは１年の芹沢御幸だった。

「なんでも倉持ご指名だとよ」

「倉持の彼女なんすか？」

「さぁーね」

御幸と同級生で同じ野球部の倉持奏に彼女の噂は聞いた事がなかった。

「聞いたことないっすけどね」