月の女神


去年は確か、僕は同じ歴史科の先生が3年生の研究授業を行っていて。


僕は授業がうまくできなくて悩んでたこともあってそっちに参加したから


課外授業には参加してなかった。


去年は美術館と音楽鑑賞だったんだ。たしか宿泊は無くて日帰りだったんだよね。


「うん。行ってないけど…クラスも持ってなかったしね」


「学年主任の奮闘。知らない?」


「え、何それ」


学年主任の奮闘?


すぐに浮かんだ学年主任の顔。だけど、?が浮かぶ。


結真も見つめれば、どこか遠くを見て、思い出しているようだ。

「俺も他の先生から聞いた話だけど、不登校の生徒がいたらしいんだよね。学校にもきてないのに課外授業なんか来るわけないじゃん?それを電話して「こなきゃ退学だ!」って脅しでこさせたらしいよ」


なぜかああいう時だけ燃えるよね、あの先生…と結真。


「でも、それ脅しでしょ?」

まさか、本当にこないだけで退学にさせるわけが…

それに、事情が事情だ。


いくらなんでも…



「今年もそうなるかって話してた時に猫ちゃんの話も出てきてさ。他の先生があの先生ならやりかねないって言ってたけど」

「まさか」