「っこら!物騒なことを言うなっ!」
学校を辞めたらなんて…!そんなこと、させない。
きっと、彼女のお母さんだってそんなことは望んでいないだろう。
あの日、どうしてあんな恰好をして繁華街にいたのか、猫だと言っている僕からはまだ聞くことができないけれど。
もし、彼女が学校を辞めようと考えているのなら。
どうにしかして止めたい。
これから先どうなるのかは分からないけれど、高校は出ておくべきだと思うから。
それを、僕が彼女が辞めるかもしれないことを喜んでるなんてさらっと言うなんて。
怒る僕を見てけろっとしている結真。
ほんとに…。
でも、言っておいた方がいいかな。
なにかいいアドバイス、してくれそうだし。いざという時に、結真ならきっと力になってくれるだろう。
「ねぇ」
「ん?」
きっと、結真でもこの事実は驚くだろうな。
もう一度、周りを確認して、前のめりになる。
結真も不審そうな顔をしつつ、大声で言えない話だと気付いたのだろう、わずかに前へと顔を寄せる。
「…実は、最近、猫を飼い初めまして」
「……はっ?」



