「…本当に猫みたい」


その姿を見て思わず笑ってしまった。


お風呂から上がって見てみれば。


待ちくたびれたのだろう。

るなは僕が風呂に向かう前にいた場所と同じ場所で丸くなっていた。


そっと近づけば、顔の前に重ねた両腕の隙間から寝顔が見れる。


疲れていたのだろう。

ここで寝なくてもベットに行って良かったのに。

ベット使ってね、って言っとけば良かったなぁ。


時間を見れば、もう少しで日付が変わるところで。気持ちよさそうに眠るから、起こすのも気が引ける。


「……」


このまま寝させよう。

腕のケガに障らないようにそっと頭と脚の下に手を回して、持ち上げる。


あまりの細さと、軽さにびっくりした。

もともと細いのもあるだろうけど、痩せたことが大きいだろう。何も食べてなかったのではないだろうかと思うくらい軽い。


不安定な精神状態だったことは考えればすぐに分かる。


高校生の子が、小さいこの体にどれだけの不安を抱えていたのだろう。


僕との生活で、少しでも元に戻ってくれればいいのだけれど。


ベットに寝ころばせてタオルケットを被せると、それを巻き込みながらすぐにまた丸くなる。


体、痛くならないかな。


「おやすみ」